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  • Writer's pictureSHADOW EGG

10話『旧サルゴン基地のうわさ6』


建物の扉を開け、アルフは外に出ると真っ先に付近を警戒した。


(前……右……左……)


勘か殺気かアルフは急速に反応するように空を見上げた。


「コリンズさんっ! 上!」


「え?」



アルフの声にただ反応するようにゆっくりと空を見るコリンズが大きな影に気が付いた時にはもう遅かった。

空から何かがコリンズに向かって静かに猛スピードで襲い掛かる。

コリンズは仲間達を無残な血肉へと変えた恐怖が自身の目前にいる事に反射的に言葉が脳裏によぎる──


──死んだ──


大地が震えるような爆音。

静寂を破壊しにきたかのように影は大きく大地に着地し、土煙が舞った。


吹き飛ばされるように飛ばされたコリンズは激しく壁へとぶつかった。



「……さん……! コリンズさん! 無事ですか!?」


土煙で視認出来ないからかアルフが大きな声でコリンズの安否の確認を叫ぶ。


「あ……ああ……!」


コリンズの意識はもうろうとしながらも精一杯の声を出す。

本来であったならコリンズは散らばった肉塊へと化していただろう。

だがコリンズが押しつぶされる直前にイチ早く気付いたアルフは飛び出し、コリンズを蹴り飛ばす事で最悪の事態を逃れたのだ。


目の前には巨大な大蛇のような尾で身体を支える獣の様な上半身の魔獣がいた。

それはまるで多種の魔獣が混ざったような不気味な姿で誰も見た事のない存在だった。

硬い鱗で覆われた大きな腕のような左右の触手。その先には尖った爪。

頭にはヒツジのような2本の角。そして細く、鋭い恐怖を煽る目がコリンズを認識するかのようにゆっくりと見る。


「くそ……!」


コリンズは片膝で剣を構えると魔獣がゆっくりと口と思わしき場所を開くと空気を揺るがす咆哮が3人を威圧する。


素早くタンっと地面と壁を蹴って回り込むように移動したアルフはコリンズの前に立ち、武器を構えた。

だがアルフの頭部から少量の血が出ていた。

コリンズを助ける際の衝撃で小さなケガを負ったのだ。


「コリンズさん!逃げて!早く」


「アルフくん……」

魔獣は大きく触手のような右腕をしならせ、アルフとコリンズを目掛けて爪で攻撃する。

コリンズを守ろうとアルフは二刀の剣を交差するように構え、尖った爪の攻撃を受け流した。

がその時、隠れていた尾が伸び二撃目が襲い掛かる──


(まずっ……)


「雷天!」



魔獣が紫色の雷で包まれるようにパァンと電撃が走る。

間一髪、魔獣の攻撃が緩みアルフはこれも受け流す事に成功した。


(今のは……レギ!?)


扉の前で構えたミハエルの武器先から紫と黄色が混じったようなエーテル光が散っていた。


「ふー……まったく……ムチャをする」


突然の雷にひるんだ魔獣は飛び上がり、建物の2階の外壁にひっつくように距離を取って身構えた。

ミハエルは何かに集中しながらアルフの近くに走り寄り、アルフと同様に魔獣に向かって戦闘の構えを取った。


「助かりましたミハエルさん」


「無事でなにより……月光!」


ミハエルは棒の後側の先端から光のエーテル魔法を発動し、コリンズを回復した。


「はぁ……はぁ……助かった……アイツだ、アイツが仲間を……!」


「感じていた違和感の正体はアイツですね。

たぶん奇襲のタイミングをずっと伺ってたんですね」


「……アルフさんと行動を共にしてなければ信じてなかったでしょうね。魔獣にそんな知恵があるわけない、と。

しかし現に奴は絶妙な距離でこちらの出方を探ってる……本能で片付けるにはあまりにも巧妙」


「うん……でもどうやら逃がしてくれそうにもないみたいですね……コリンズさんいけますか?」


「ああ……!」


「二人とも聞いてください。僕たちだけではあの魔獣を倒すのは不可能……なので援軍が来るまで時間を稼げるかが勝負です……!

僕がフロント、ミハエルさんがバックアップ、コリンズさんは尾に注意してミハエルさんのフォローを」


「……わかった、助けてもらった命だ。最悪の場合は身代わりにでも使ってくれ」


「使う余裕もあればいいですが……ね」


「……いきます!」


魔獣がアルフ達に向かって咆哮で威圧する中、3人は交戦状態に入った──




──────────



[アルフレッド=ホークマン]

・キリングエッジ 敵単体に物理ダメージ AP25

・ファイアランス 敵単体に火属性魔法ダメージ ETR依存



ミハエル=ファレンス

初期LV3 HP117 EP 20

・月光 味方単体のHPを回復させる MEN依存 EP2

・雷天 敵全体に雷属性ダメージ ETR依存 EP3

・赤の印 味方全体のATKを一段階向上させる AP25

(能力強化バフは1段階10%で10段階目まで重複し、5ターン重複がなければ解除)

パッシヴスキル

・エナマスタリーⅠ EGDが+5%

・スタンアタックⅠ 敵の物理攻撃を+5%の確立でパリィ


[コリンズ=ペス]ゲストNPC 自動行動

初期LV3 HP 110 EP14

・水平切り 敵単体に物理ダメージ ATK依存 AP25 虫特攻

(虫特攻がついてるがコリンズの参戦はここだけで一切意味がない)


[ボス 魔獣ガルガンティーフ]

HP1400 MP100

・通常攻撃(爪)

・アイス 敵全体に氷属性ダメージ まれに凍結の異常効果

・叩きつけ 敵単体に物理ダメージ

・距離を取る ターン先制、自身のHPを小回復 この状態中、近接攻撃を全て回避する

・突撃 敵単体に物理ダメージ 確率でスタン付与 距離を取る状態解除




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